1ドル106円背景と米寒波で読む2点。
2021年02月17日
お疲れ様です、岡三オンライン証券の武部力也です。
まずは昨年10月以来の1ドル106円台に関しては◎<本日の為替コメント>◎にて。
そして気になるのは、米南部州を中心とした広い地域を襲っている厳しい寒波に関してです。
特にテキサス州の南域は亜熱帯気候の括りとされており1898年以来の降雪と聞くと意外感も
禁じえません。
禁じえません。
しかしここで考察しておくべきことは米寒波の影響でメキシコ湾岸の石油生産施設や製油所の
多くが操業を停止し、エネルギー産業のほか製造業などにも被害が及んでいることです。
報道では天候が回復に向かうのは2/23-25とされており、全米多数の地域でも史上最低気温を
記録する可能性が指摘されています。
で、これを以て事前に推測しておきたいポイントは2点、と考えます。
一つは 原油価格関連です。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が、原油
需要増からの価格回復を見込んで4月から減産幅を縮小させる公算であるとの観測報が伝わって
います。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が、原油
需要増からの価格回復を見込んで4月から減産幅を縮小させる公算であるとの観測報が伝わって
います。
要は相応の世界景気回復を「OPECプラス」は見込んでいる筈であり、また、彼ら自らが原油価格
を急落に仕向けることも無い、と読める点です。
を急落に仕向けることも無い、と読める点です。
米寒波での需要もある程度含めて現行価格水準をおおよその下値目途と推察した場合、それに牽引
され易いのが資源通貨と考えています。
され易いのが資源通貨と考えています。
また、原油取引ではドル決済が主であることも周知です。
従って価格上昇で目減りした分のドル充当の需要も意識されると考察できます。
そしてもう一つは米雇用市況に関してです。
それは寒波による米国内企業活動が制約され、それが労働市況に反映する可能性が高いからです。
それは寒波による米国内企業活動が制約され、それが労働市況に反映する可能性が高いからです。
天気予報では今月下旬までの悪天候とされ、その影響で操業縮小とするなら、2月の米雇用統計
にも相応の悪影響が想像されます。
にも相応の悪影響が想像されます。
そうなると先月時の雇用不調でも焦燥を抱いたバイデン政権は3/5に判明する2月米雇用統計を
一層重要視し、米国救済計画:American Rescue Plan(総額1.9兆ドル≒約199兆円)法案の早期
実現を確実にしたい気持ちが更に強まるのではないでしょうか。
実現を確実にしたい気持ちが更に強まるのではないでしょうか。

一方で現失業保険の追加給付が失効する3/14までに成立させたい本音を共和党サイドに見透かされ、
内容に反対する共和党議員は「議事妨害(フィリバスター)」は出来ないまでも予算法案の趣旨と
関係のないものは違反とする「Byrd Rule(バード・ルール)」に基づき、議事規則違反を突き付け
て議会駆け引きが白熱する可能性が考えられます。
関係のないものは違反とする「Byrd Rule(バード・ルール)」に基づき、議事規則違反を突き付け
て議会駆け引きが白熱する可能性が考えられます。
これを以て民主党も早期成立を期すためにも共和党に妥協するか否か。
象徴的な総額「1.9兆ドル」が若干ながらも減額され、米赤字財政支出の抑制、債券価格下落・金利
上昇の歯止めとなる場面があり得るかもしれません。
象徴的な総額「1.9兆ドル」が若干ながらも減額され、米赤字財政支出の抑制、債券価格下落・金利
上昇の歯止めとなる場面があり得るかもしれません。
全ては米寒波の影響次第、として米国のお天気予報に目を見張る本日です。
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