「ドル円、いつごろ100円台に戻る?」

2011年06月11日

2011年6月7日「マー君様」からの質問。
Q
力也のFX道場 毎日拝読いたしております。
実はドル円、105円前後にて、多数のポジションがあります。
3年ぐらいになりますが、スワップも付かず、8月より レバレッジの件もあり、思案中です。
このドル円、70円台にとのことですが、いくらまで下がり、何時ごろに100円台に戻るのでしょうか。
       

A
マー君様
力也のFX道場への御愛顧並びにFXよろず相談窓口へのお問い合わせありがとうございます。

さて、お問い合わせの件、
ドル円国旗
ドル円105円前後にてのロングポジションとのこと。
まず、米ファンダメンタルズの見地からですが、ポイントは3点。


1点目は最近の各種指標、労働市況の不調から米景気停滞感が強い。

2点目。
QE2からQE3とした追加緩和措置の行方が取沙汰される中で、そもそも、FRBの本来の目的はデフレ対策
と株価の上伸に重きをおいていた。
現況のドル安地合いはオバマ政権が目指す、輸出の促進にも合致し、事実、ニューヨーク株式相場も
2008年(平成20年)9月のリーマンショック以前の水準に回帰。
住宅市況の改善も進捗すれば2007年サブプライムショック前の水準も期待されているなかで「強いドル」
を真意で望んでいると考えるのには懐疑的。

3点目。
現況渦巻く米景気減速・停滞懸念のなかでQE2の6月末終了以降も7月末目処での米連邦債務上限引き上げ
の問題も解決に向けた進展が見られていない。

対して日本のファンダメンタルズの見地からですが、こちらもポイントは3点
1点目は米国は出口戦略を見出すようにもがく姿が感じられるが本邦は未曾有の国難時期として当面は
超低金利政策の継続が見込まれ、閾値での金利格差では米ドルシフト、と鑑みるところ。
しかし、昨今の米景気不透明感がリスク回避として米債券へ資金シフトしている兆候が窺われ、特に
デフォルトリスクを問われているとはいえ、米債投資への根強さ、そして外人保有率が少ない日本国債
へのリスク回避的な資金シフトが米10年債と日本10年債のスプレッド格差を縮小傾向にさせている。
それは昨年末・本年初期における約2.1pが現況は約1.85pに縮小していることでも窺える。
⇒金利格差妙味の低下。

日米10年債金利
出所:岡三オンライン証券:e-profit FXチャート・日足/日本10年債金利/米10年債金利

2点目としては足元の日本の貿易収支が赤字となっており、このままいくと経常収支も赤字になる可能性
が指摘されるが実際は世界に冠する対外純資産残高の維持を誇っており、欧州ギリシャ問題のように赤字
財政から直ぐに円売りに傾斜するとは懐疑的。
逆に政治の空洞化、行政の対応遅延に対して早期の震災復興を目論む民間は対外資産の取り崩し圧力、
つまり円買戻し圧力を常に孕んでいる可能性も。

主要各国の対外資産残高
出所:財務省資料、平成22年末本邦対外資産負債残高の概要その他:IMF資料より作成
3点目としては、急激に円が急騰した場合にのみ、協調、若しくは単独介入を大義を得る本邦も現状の
ドルじり安に円売り介入を3・11以降、再執行できるとは、先のG20以来、取沙汰される経常黒字国の
我が国が安易に通貨安へ誘引できる可能性には懐疑的。

とそれぞれ日米3点ずつのファンダメンタルズ概要を勘案しています。

一方のテクニカル判断としては、まずは2005年以来の平均年間変動幅をベースに勘案。
 2005からの平均ドル円値幅
出所:東京金融取引所の取引所為替証拠金取引「くりっく365ドル円データより作成

年間変動幅17円として現況の本年最安値から反転しても100円台には些か届かないものと考えます。

長方形トレンド分析で勘案すると【緑の/赤の】での上値抵抗の進行を予想しており、
【青の◆曚両豺腓量瓩蟯慳膩の85円への反発期待も現況のセンチメントでは今夏以降、と見ています。
 力也の長方形分析。
現況ではご期待にお応え出来ていない武部見解かもしれませんが、当然、米景気回復に向けた指標兆候は
今後、窺える場面もあると考えます。
 
今後は戦略構築の際、以下のような
 
【入口⇒運用期間 期待収益⇒出口】
              可能損失⇒脱出】
 
 をキチンと想起してお取り組みなされることを、僭越ながらお奨め申し上げます。
 
些かがさつな回答かもしれませんがマー君様の勝利に少しでも結びつけば幸甚です。
これからも末永く岡三オンライン証券及び力也のFX道場に御愛顧賜れればと存じます。
今後もお問い合わせ下さい。
FXよろず相談窓口回答者 武部力也



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プロフィール
武部力也(たけべ りきや)
岡三オンライン証券(株)
投資情報部長 兼 シニアストラテジスト

【経歴】
東京都出身
1989年
日本大学法学部卒業・東京短資入社。トウキョウフォレックス、トウキョウフォレックス上田ハーロー/東京外国為替市場インターバンク(銀行間)市場・ドル円外為ブローカー。
2001年
トウキョウフォレックストレイダーズ証券・情報企画部部長、金融法人事業部部長。
2006年
トウキョウフォレックス・法人営業、営業推進部長。
2009年
岡三証券入社。(東京金融取引所 為替・株価指数証拠金市場運営委員会 副委員長、東洋大学 社会人基礎力 特別講師)

【趣味】
剣道、映画鑑賞。

【活動】
■ラジオNIKKEI「マーケットプレス」
日本テレビ(BS/CS)「NEWS24まーけっとNAVI」
東京MXテレビ「東京マーケットワイド」「WORLD MARKETZ」
ほか、日経CNBC等に定期出演、金融系マーケットメディア、新聞、経済誌などでレポート執筆
■公式ブログ「力也のFX道場」
■公式動画「株と為替の売買シナリオ」

【著書】
「勝ち残りFX」(扶桑社)


「勝ち残りFX」(扶桑社)

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