2010年06月21日

お疲れ様です、岡三オンライン証券の武部力也です。
さて、週末19日土曜の夜の武部は南ア・ワールドカップサッカーの日本対オランダ戦に興味を示しつつ、
『だけど、”鬼平犯科帳が好き!”』とテレビに夢中でしたが、そうした一般庶民代表の間隙を抜いた格好の
中国政府・中国人民銀行の対応でした。

中国人民銀行
日本時間19日午後8時に、
 “Further Reform the RMB Exchange Rate Regime and Enhance the RMBExchange
 Rate Flexibility”
と題する声明を発表。


但し、声明内容の要旨は曖昧であり、人民元の通貨制度を具体的にどのよに変更するか言及がないこともポイント。

『最近の国際収支及び国内外の経済状況に鑑みて、人民銀行は人民元の為替制度の改革を一段と推し進め、
人民元の為替レートの柔軟性を高めることを決定。・・・・世界経済・中国経済の回復がより鮮明となる中、
人民元の為替制度の改革を一段と推し進め、人民元の為替レートの柔軟性を高めることが適切。』

人民銀行の声明を受けて漠然と人民元先高感の高まりは感じるもののファンダメンタルズ的な裏づけを
欠く内容であり、、FX市場のビギナー参加者各位はどう対応したらよいのか苦慮するのが実際ではないで
しょうか?

 

確認。誰にも聞けなかった?そもそも人民元とは・・・。
中国の通貨「人民元」―。
特に米国においては『中国当局は人民元の為替相場を意図的(=不当)に低く抑えている!』と対ドルで
人民元が安いことから中国製品が米国市場に流れ込み、米国の対中貿易赤字膨張、米輸出産業の保護を
名分に毎度、米議会や米輸出製造業界を中心に争議対象されているのが人民元です。


そもそも問題を複雑化させているのが中国が世界経済を牽引する立場に成長している一方で人民元問題の
行方は、「政治態勢」と「経済」そして、矜持(プライド)の国、を推考させる”中国”の通貨であるという
こと。


6月11日の早朝、NHKでも報じていましたが、ガイトナー財務長官が「中国は近く世界第2位の経済大国
なることが見込まれ、アメリカにとっても最大の輸出先になるだろう」と述べ、そして「中国の為替政策
は不公平であり、アメリカの製造業などの利益を害しているという懸念を共有している。人民元改革を進
めることが中国にとっても、アメリカはじめ世界経済にとってもきわめて重要だ」と中国に人民元改革を
促す姿勢を見せていました。


しかし、人民元は結局、市場原理ではなく中国当局の思いのままのレートが決められているのが実情で、
中国人民銀行が基準値を毎朝決め、前日比変動幅を上下に0.5%しか認めない管理型の為替制度で取り扱わ
れています。

過去5営業日の中国人民銀行 1ドル=人民元中心レート                                                    
 10/06/18  6.8275                                                          
 10/06/17  6.8277                                                          
 10/06/11  6.8279                                                          
 10/06/10  6.8281                                                          
 10/06/09  6.8282                                                          

 


そうした中で、今回の声明は人民元相場の1ドル=6.82元前後(上下に0.5%の変動許容)での相場固定を解除し、
対ドル相場での緩やかなら上昇しても、良し、とした意思表明となります。


何故?此のタイミング?
一番素直な見方は26日から開かれるカナダ・G20首脳会議を目前に、為替制度の改革への積極性を示し、各国
との協調姿勢を見せ、また中国に批判的な向きの一部の動きを牽制した、とした見方です。
世界の金融市場が混迷している最中に”柔軟性を高める、、”とした姿勢も大義にかなっています。

 

今回の中国の対応はある意味で先手、機先を制した格好であり、少なくとも時間稼ぎには十分。
表面的には自主的です。勿論、11月の米国中間選挙に向けて、夏以降、より大幅な元切り上げ要求が
米国サイドから出てくる可能性も否定できませんが、26日からのG20会合が中国を全面批判する場では
なくなった、とした見方です。

国際政治外交を語るのは僭越であり、憶測の域をでませんが、オバマ大統領が即座に中国の決定に歓迎の意を
表明するのもタイミングよすぎる観もあり、当然、米中裏舞台での摺り合わせも想起しやすいところです。
4月の胡錦濤・中国国家主席とオバマ米大統領会談でも中国の自主的判断が強調されました。


中国政府は今回の声明を機に、輸出依存型の経済から徐々に脱却し、産業の高度化を図り、内需主導型への転換
を進めていく姿勢をも見せる一方で実際には中国の対米貿易黒字は大量の米国債や米政府機関債購入し、結果、
米経済を支えている一面も指摘されています。

急激な人民元高で中国の輸出が低迷すれば、還元される米債購入力も低下。米長期金利が上昇する可能性も
危惧されるところから、取りあえずは人民元論議の中で中国も通貨政策に手を付けてくれている、、という事実が
出れば、その批判の矛先も一旦は回避されるところであり、米中間での政治的な要請でのやりとりが想起
しやすいところです。


過激な憶測も敢えて加えれば急激な人民元上昇が見込まれれば、誰もが人民元を持ちたがり、既に人民元が、
ベトナム・モンゴル・ロシアなど中国の周辺国での貿易決済で実際に使われ始めていて、石油の決済通貨をも目論
んだ、”ポスト・ドル”説も浮上しかねず、やはり、曖昧な時期に”大幅な元上昇より緩やかな上昇”が複雑な
米中の政治情勢を組み合わせた結果、と考えるのが無難なところでしょうか。


さて、欧州問題が消え去ったわけではありませんが、今回の人民元材料、市場センチメントとしてプラス材料と
して、見所満載な一週間の始まり、と前向きに捉えているのですが如何でしょうか。

 

豪ドル円への期待。
シンプルに、人民元の切り上げ=中国国内の内需拡大=資源需要拡大=豪資源への需要向上期待、、、という構図
を想起。特に世界最大の資源消費国の通貨が今後長期的にみて値上がり必至、とするなら資源輸入額増大から恩恵
を最も受けやすいの資源国、と想起するのは容易く中国の購買力向上の恩恵を受ける可能性がより高まったと思われ
ます。


豪ドル円パッと見テクニカル。
週明けの豪ドル円相場を週足・一目均衡表でみると雲の上限を抜け80円台アプローチを感じさせます。
雲を抜け切り、一足先に梅雨終了宣言、となるか重要なポイントに差し掛かっています。
0621週足の豪ドル円

出所:岡三オンライン証券:e-profit FXチャート・週足・一目均衡表/豪ドル円

 

注意点。
同じアジア通貨だから、と永続的に人民元との因果関係を懸念し、日本円も大幅に上昇する、とした論理的理由
は些か希薄です。

しかし、そうはいっても日本も高度経済成長に伴い、固定相場制から変動相場制に移行し、円はどんどん高く
なりました。中国も「人民元の弾力性を高める」と発表したことから中国人民元が上昇する場合、日本円もつられ
て高くなる可能性も今後も否定できません・・・。

そうなると具体的な投資施策として仮に中期豪ドル円ブル(強気)スタンス、とした場合、投資資金の
「柔軟性(flexibility)拡大」姿勢を持つ一方で、インカム・ゲイン(配当金利、此の場合はスワップ狙い)
よりはキャピタル・ゲイン(価格の上昇による利益)を短期的に目論み、例えば週末越えリスク等は取らない事、
など、持たざるリスクも懸念されますが、持つ事のリスクも今まで以上に重きを置くことが重要だと思われます。

週末休場期にどのような事が起こるかわからない週末リスクの恐ろしさを改めて感じた本日早朝です・・。
0621お昼のドル円
出所:岡三オンライン証券:e-profit FXチャート・60分足/米ドル円



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力也のFX道場 

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2010年06月21日

お疲れ様です、岡三オンライン証券の武部力也です。
さて、週末は中国人民銀行の”人民元『弾力性を強化』”の声明から人民元関係の新聞報道に釘付けに
なられた方も多かったのでは、と思われます。

注目の週明け6月21日月曜日のウェリントン市場は、中国が人民元相場の柔軟性を高める方針を表明
したことを受けて先週末のドル円終値から約40銭強の円高水準で開始しました。

引き続き、市場参加者の本格参入とアジア株式市場の動向からの影響に警戒。特に値が飛びやすい
豪ドル円などクロス円の動向に御注意ください。
0621早朝のドル円
出所:岡三オンライン証券:e-profit FXチャート・60分足/米ドル円



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力也のFX道場 

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2010年06月19日

お疲れ様です、岡三オンライン証券の武部力也です。

ご近所を見まわすと紫陽花(あじさい)が見頃な時期のようですね。
あじさい
あじさいの花言葉は「移り気」だとのこと・・。
そういえば『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』は、せつなく、はかないストーリでした・・。

特別公開。岡三投資情報の一部より。
さて、14日―18日の外為市場も色々ありましたが、主観ながら多少のユーロ圏報道や材料でも市場
の感応度が鈍くなってきた気がします。市場のセンチメントも「移り気」が激しいようで・・。

しかし、油断大敵、ということで今回は岡三証券経済調査部作成のグローバル経済金融情報
〜ギリシャ国債格下げの影響は限定的、欧州の資金繰りはタイト〜

を特別に公開いたしますので来週の投資戦略の参考として御利用いただければ幸いです。

勝ち残りFX扶桑社新聞広告
僭越ながら拙著「勝ち残りFX」(扶桑社・刊)も御高覧賜れれば幸甚です。

良い週末をお過ごし下さいませ。



okasanonline at 10:10コメント(0)トラックバック(0) 
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プロフィール
武部力也(たけべ りきや)
岡三オンライン証券(株)
投資情報部長 兼 シニアストラテジスト

【経歴】
東京都出身
1989年
日本大学法学部卒業・東京短資入社。トウキョウフォレックス、トウキョウフォレックス上田ハーロー/東京外国為替市場インターバンク(銀行間)市場・ドル円外為ブローカー。
2001年
トウキョウフォレックストレイダーズ証券・情報企画部部長、金融法人事業部部長。
2006年
トウキョウフォレックス・法人営業、営業推進部長。
2009年
岡三証券入社。(東京金融取引所 為替・株価指数証拠金市場運営委員会 副委員長、東洋大学 社会人基礎力 特別講師)

【趣味】
剣道、映画鑑賞。

【活動】
■ラジオNIKKEI「マーケットプレス」
日本テレビ(BS/CS)「NEWS24まーけっとNAVI」
東京MXテレビ「東京マーケットワイド」「WORLD MARKETZ」
ほか、日経CNBC等に定期出演、金融系マーケットメディア、新聞、経済誌などでレポート執筆
■公式ブログ「力也のFX道場」
■公式動画「株と為替の売買シナリオ」

【著書】
「勝ち残りFX」(扶桑社)


「勝ち残りFX」(扶桑社)

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